石油給湯器の燃焼方式「直圧式とセミ貯湯式」の違いとは?

 

石油給湯器には「直圧式」と呼ばれるものと「セミ貯湯式」と呼ばれるものがあります。

字を見るだけで大まかな特徴は分かるのではないかと思いますが、簡単に言うと「水圧が強いか弱いかの違い」です。

 

こういう表現をすると「水圧は強いに越したことはないんだから、直圧式の方がいいんじゃないか?」と考える人も少なくないと思います。

しかしセミ貯湯式には、水圧を犠牲にしている分のメリットもあるんです。

本記事では石油給湯器の燃焼方式の違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

 

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石油給湯器の燃焼方式は直圧式とセミ貯湯式の2種類

 

冒頭でも触れたように、この両者の大きな違いは「水圧の強さ」です。

 

  • 直圧式:蛇口を開けた瞬間に水をお湯に変える
  • セミ貯湯式:電気ケトルのように、給湯器の内部で常にお湯を作っておく

 

直圧式の給湯器は「水が給湯器の中を通り、給湯器から出てきた時にはお湯に変わっている」というタイプです。

ガス給湯器のほとんどはこの直圧式なので、給湯器全体のシェアで言うと90%以上が直圧式と言って間違いないでしょう。

 

一方でセミ貯湯式は、給湯器本体の中に大きなタンクがあり、そのタンクの中にお湯を作って貯めておくタイプです(イメージ的には電気ケトルのような感じです)。

蛇口を開けた時にその都度お湯を作る直圧式とは異なり、常にお湯を作って貯めておくタイプなので、タンク内のお湯がぬるくなると勝手に燃焼動作に入ります。

 

どちらにも良い面があるので、基本的にはお好みでどちらを選んでも問題ありません。

しかし、基本的には金銭面の問題がある人や、「水質などの問題でセミ貯湯式しか使用できない」という人が、主にセミ貯湯式を選択している傾向が強いです。

 

ノーリツ製の石油給湯器を例に出すと、直圧式はOTQやOQB、セミ貯湯式はOTXやOXというアルファベットから始める型式となっています。

 

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石油給湯器の直圧式の特徴

 

水圧が強い(水とお湯の水圧が一緒)
お風呂を沸かすのが早い
1℃単位で温度が選択できる
壁掛けタイプがある
本体価格がセミ貯湯式と比べて高い

 

直圧式はセミ貯湯式に比べると、便利で使い勝手が良いと感じる人が大多数だと思います。

普段から直圧式の給湯器を使用している人が、ふとした拍子にセミ貯湯式を使用するとなると、すごく不便に感じてしまうことでしょう。

 

直圧式の給湯器であれば、常に本体の中にお湯を作って貯めておく必要がないので、見た目がコンパクトな壁掛けタイプもあります。

壁掛けタイプの石油給湯器は、ガス化バーナーを採用しているので、燃焼音も非常に静かです。

<<石油給湯器の設置方式「据え置き(床置き)と壁掛け」の違いとは?

 

一方でセミ貯湯式と比べると、井戸水などのクセのある水質に対する耐久性が非常に低いので、井戸水ユーザーにはおすすめできません。

そして「お金がないから1円でも安い給湯器が欲しい」という人で、お湯さえ作れればいいという人以外には、基本的には直圧式をおすすめします。

水質面での不安、金銭面での問題がなければ、直圧式を選んだ方が無難です。

 

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石油給湯器のセミ貯湯式の特徴

 

水圧が弱い(水側の水圧よりも明らかに弱くなる)
お風呂を沸かすのが遅い
給湯温度が大まかにしか決められない
据え置きタイプしかない
本体価格が直圧式と比べて安い
直圧式に比べて耐久性がある

 

セミ貯湯式は、細かな給湯温度を選択できない機種が多く、給湯温度は1~7までの漠然とした数字で選ぶタイプの機種が主流です。

4で40℃、7で75℃などの大雑把な温度になるので、基本的には7で固定して熱湯を作り、各蛇口のサーモバルブで水を混ぜて使用しているユーザーが多いです。

 

直圧式と比べると不便な点ばかりが目立って取り得が無いようにも思えますが、セミ貯湯タイプ最大のメリットは「地下水などに対しての耐久力がある」という部分です。

 

地下水ユーザーが直圧式を使うと、程度にもよりますが酷いケースだと数ヶ月で水漏れなどの故障が相次ぐケースもあります。

それに比べるとセミ貯湯式の給湯器は、カルシウムやマグネシウムが豊富な水質に対しても、ある程度の対応力を見せてくれるでしょう。

 

地下水を利用しているユーザーには、文句無しにセミ貯湯式をおすすめします。

 

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直圧式とセミ貯湯式の違い

値段の違いを比較

 

直圧式とセミ貯湯式を同じ燃焼能力で比較すると、本体価格は直圧式の方が高く、セミ貯湯式の方が安いです。

では、具体的にどれくらい違うのでしょうか。

どちらも燃焼能力4万キロ、標準タイプ(追い炊き機能のみでお湯張り機能無し)で比較してみたいと思います。

 

 

こちらは直圧式で、希望小売価格は305000円です。

 

 

こちらはセミ貯湯式で、希望小売価格は241000円です。

 

同じタイプの給湯器を比較して、本体価格に64000円もの金額差があります。

実際には希望小売価格から値引きがあるので、最終的な工事費にここまでの差が生まれることはありません。

 

しかし、金額的に安いセミ貯湯式の方が長持ちしやすいという側面もあるので、今までセミ貯湯式を使用していて慣れているという人の場合は、無理に直圧式に替える必要もないでしょう。

 

機器寿命、耐用年数を比較

 

信頼できるような統計データは出てきませんでしたが、間違いなくセミ貯湯式の方が長持ちしやすいです。

 

理由としては、

  • 直圧式に比べてセミ貯湯式の方が構造がシンプル
  • ステン配管が多数使われている

などの理由が挙げられます。

 

電化製品は、基本的に構造がシンプルなほど長持ちします。

そしてセミ貯湯式ではステン配管が多数使われているのに対し、直圧式では銅配管がメインなので、錆や腐食に強いのもセミ貯湯式と言えるでしょう。

 

給湯器の耐用年数は、一般的に「7年~10年」と言われています。

…が、この平均寿命とも呼べる数値を下げているのは、他ならぬ「石油給湯器の直圧式」です。

<<石油給湯器の寿命と買い替え時期の話|耐用年数ってどれくらい?

 

ガス給湯器と石油給湯器を比較するとガス給湯器の方が長持ちする傾向が見られます。

石油給湯器内でも直圧式とセミ貯湯式を比較すると、明らかにセミ貯湯式の方が丈夫です。

セミ貯湯式は直圧式に比べると「使用感は不便だけど、安く取り付けられて長持ちする可能性が高いタイプ」と言えます。

 

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水質が悪いならセミ貯湯式がおすすめ!それ以外は直圧式がおすすめ!

 

直圧式にするかセミ貯湯式にするかは、それぞれの特徴を比べて選んでいただければいいかと思います。

しかし、水質が悪いとか地下水を使用しているという場合なら、セミ貯湯式以外の選択はしない方が無難です。

 

そしてセミ貯湯式から直圧式に変更する場合はさておき、直圧式からセミ貯湯式に替えるという場合は、不便な面が増えることが明らかなので、おすすめはしません。

 

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