高効率石油給湯器「エコフィール」のメリットとデメリットとは?

 

2006年頃に登場し、燃費の良さを売りに少しずつシェアを伸ばしてきた高効率石油給湯器、通称「エコフィール」です。

一時期はCO2の排出量などの観点から、国を挙げて支援していたという背景もあり、それなりのシェアを獲得しました。

 

しかしユーザーにとって重要なのは、エコはエコでも家計に対してエコなのかどうか…ですよね?

本記事では高効率石油給湯器「エコフィール」のメリットとデメリットについて、詳しく解説していきたいと思います。

 

ノーリツ製のエコフィールを例にご紹介します。

 

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エコフィールのメリット

燃費が良い(年間で約7000円の節約)

従来タイプと比較すると、1年間で約7000円ほど灯油代を節約できます

ここだけ見ると、各家庭のお財布には優しそうな気もしますが…。

 

注意してもらいたいのは、この約7000円という数字がどのような計算によって算出されているかという点です。

メーカーの公式サイトには詳しい計算方法が掲載されていますが、ハッキリ言って分かりにくいので割愛します。興味のある人は、公式サイトで調べてみてください。

<<暮らしにエコと快適を、だから「エコフィール」

 

まず、年間で約7000円もの節約効果を得るためには、従来型で年間約58220円の消費をしている必要があります。

1ヶ月あたりの料金に換算すると、大体5000円弱です。

そして但し書き※1には「試算データの燃料単価は、93円 ⁄ Lでの算出です。」と書かれていました。…灯油ってこんなにしましたっけ?

 

いずれにしても、これまでに大量の灯油を消費していたという人は、エコフィールの恩恵を受けられる可能性があります。

一方で、1人暮らしで給湯器で石油もそんなに使用しないという人の場合であれば、年間で約60000円もの節約にはならないでしょう。

 

待機電力が低い

ノーリツの公式サイトでは、エコフィールは待機電力も低いと謳っています。

ちなみに比較データなどが無かったので、どのくらい待機電力が低いのかを調べてみました。

 

こちらがエコフィールの待機電力です。

リモコンON/OFF時の平均値が2.4Wとなっています。

 

一方でこちらが従来型です。

リモコンON/OFF時の平均値が3.3W~4.0Wとなっています。

 

ただし、今回の比較はあくまで壁掛けタイプであり、据え置きタイプのエコフィールに関しては、待機電力に大きな差は見られませんでした。

つまり、待機電力の省エネを期待するのであれば、据え置きタイプではなく壁掛けタイプを選択することが重要となります。

 

CO2排出量が少なく、自然に優しい

地球温暖化の原因になると言われている二酸化炭素の排出量が抑えられており、自然に対しても優しい作りとなっています。

かつてはエコフィールを導入すると各自治体から助成金が貰えるシステムがありましたが、令和となった現在は行われていません。

 

自治体が思い付きで始める可能性は否定できないので、施工業者に確認してみることをおすすめします。

 

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エコフィールのデメリット

本体価格(その他部材費)が高い

こちらは屋内設置据え置きタイプの高効率石油給湯器です。

希望小売価格は392000円となっています。

 

ちなみにこれはBL品といって、「2000円多く払う代わりに製品保証が1年長くなる」等の恩恵がある本体なので、本体そのものの価値は390000円と言ってもいいです。

 

機種によってはBLしかないものがあります。

 

一方、こちらは屋内設置据え置きタイプの従来型石油給湯器です。

希望小売価格は390000円となっています。本体価格そのものには、まったく差が無いことがお分かりになるのではないかと思います。

 

問題なのは、その他部材費です。

実は従来型の給湯器には最初からリモコンが付いてくるのに対し、エコフィールではリモコンが別売りです

 

 

リモコンにも複数の種類が用意されていますが、1番オーソドックスなものでも「台所リモコンと浴室リモコンで税抜き33000円」です。

 

さらにこちらは、エコフィール専用の給排気筒です。

屋内設置の場合は必ず煙突を設けなければなりませんが、エコフィールには専用の煙突が存在します。

これの値段が、希望小売価格で税抜き33000円です。

 

一方でこちらが、従来型石油給湯器の給排気筒になります。

リモコンと違って煙突は別売りですが、金額はエコフィール専用の排気筒よりもずっと安く、希望小売価格で税抜き17800円です。

 

つまり、本体そのものの価格自体はエコフィールと従来型で差はないものの、実際に交換・取付となると、結構な金額差が開くことが予想されます。

 

「ドレン配管」の施工が必要

 

細かい説明は割愛しますが、従来型石油給湯器とエコフィールの大きな違いの1つに「本体から出ている配管の数」が挙げられます。

実は、エコフィールから出る配管の方が1本多くなるんです。

 

これはエコフィールの中が結露するため、その水を逃がす配管なのですが、屋内設置の給湯器の場合は「床に穴を開けて、床下で排水管と接続する」という作業が必要になります。

 

従来型から従来型、またはエコフィールからエコフィールへの交換は問題ありませんが、それ以外の場合は「配管を増やす/減らす」という手間が生じます。

配管を減らす方はそこまで手間ではないので、問題は「従来型からエコフィールに交換する」という場合でしょう。

 

床下も入りやすいケースと入りにくいケースがあり、もし作業が困難な場合であれば、取付工賃も高くなる可能性があります。

 

屋外設置の場合は穴を開ける必要はないことが多いですが、寒い地域では増えた配管にも凍結予防のヒーターを巻かなければなりません。

 

エコフィールのラインナップが豊富とは言えない

 

石油給湯器には様々なタイプの機器が用意されています。

  • 燃焼能力が「4万キロと3万キロ」
  • 燃焼方式が「直圧式とセミ貯湯式」
  • 設置方式が「据え置きと壁掛け」
  • 排気方式が「FE式とFF式」
  • ふろ機能が「フルオートとオートとセミオート」

 

従来型と比べると、エコフィールの方はラインナップの幅が少なく、ユーザーの希望にあった製品があるとは限りません。

例えば、「燃焼能力3万キロのエコフィールが欲しい」とか「お湯張り機能のないエコフィールが欲しい」という希望があったとしましょう。

 

その希望に沿うエコフィール本体があるかどうかは、調べてみないと何とも言えないです。

厳密に言うと従来型でも希望に添えない場合はあるのですが、エコフィールの場合は従来型よりも選択肢は狭いと言えます。

 

エコフィールの方が故障しやすい

 

ここでいう壊れやすいという表現は、構造が複雑化しているという理由もありますが、1番は「部品の数が増えている」という理由が挙げられます。

 

正確な統計データは見つけられませんでしたが、従来型とエコフィールをそれぞれ10年間使用すると仮定した時、それぞれに掛かるメンテナンス費用(修繕費)の平均は、確実にエコフィールの方が大きくなります。

 

上の方では、エコフィールなら従来型と比べて、年間約6000円の灯油代が削減できると書きました。

しかしリモコン代と排気筒代が、従来型よりも高くなると捕捉しました。もしかすると、取付工賃も10000円くらい高くなるかもしれません。

 

とは言え、リモコンや排気筒は希望小売価格から値引きがありますから、この両者の金額差が30000円だったとしましょう。

年間6000円の節約になるなら、5年使ってやっとイーブンです。

 

あとは給湯器の寿命が7年~10年であることを考え、修繕費が高くなる可能性も考慮すると…。

お得かどうかについては、なかなか厳しいと言わざるを得ません。

 

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エコフィールが気になるなら2種類の見積もりを希望してみよう!

 

実はエコタイプのガス給湯器(エコジョーズ)は、エコフィールに比べて3倍以上もの燃料費の節約を実現しています。

 

エコジョーズが年間のガス料金を約24000円も減らせるようになったことを考えると、エコフィールの年間約6000円という数字は少し寂しいですよね。

 

どうしてもエコフィールが気になる場合は、従来型とエコフィールの2通りで見積書を貰って比較・検討してみることをおすすめします。

 

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